・なぜ「冷え性=太りやすい」と言われるのか

寒い季節になると「体が冷えて動きたくない」「手足がいつも冷たい」と感じる人は多い。実はこの“冷え”が、単なる不快感だけでなく太りやすさや代謝低下にも深く関係している。「冷え性を放っておくと太る」と言われるのは、単なる噂ではなく、科学的にも根拠があるのだ。
1. 体温と代謝の密接な関係
人の体は、36〜37℃の体温を保つことで、酵素が最も活発に働く。しかし、冷えによって体温が1℃下がると、基礎代謝は約12〜13%も低下する(国立健康・栄養研究所)。つまり、冷えた体はエネルギーを燃やす力が落ち、同じ食事量でも脂肪が蓄積しやすくなる。
出典:国立健康・栄養研究所「身体活動・代謝の基礎知識」(2021)

2. 血流の悪化が「脂肪を燃やせない体」にする
冷え性の主な原因は、末梢血管の収縮による血流の悪化。血液が滞ると、筋肉や内臓への酸素・栄養供給が減少し、脂肪を燃焼するミトコンドリアの働きも低下する。また、リンパの流れが悪くなることで老廃物が排出されにくくなり、むくみやセルライトを招く。
出典:日本体温管理学会誌「末梢循環と代謝機能の関連」(2019)

3. 自律神経とホルモンの乱れが「太りスイッチ」を入れる
冷えが続くと、体は体温を守るために交感神経が優位になる。すると、ストレスホルモンであるコルチゾールが増加し、脂肪を蓄えやすくする。さらに、女性の場合はエストロゲンの分泌低下にもつながり、血行不良・むくみ・代謝低下が悪循環を生む。
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「冷え性と自律神経」(2022)
4. 冷えを改善して“痩せ体質”に変えるには

冷え性の改善には、「体を温める」よりも「熱を生み出す体」をつくることが重要。具体的には以下の3つの方法が効果的とされる。
1. 筋肉量を増やす:筋肉は熱産生の約40%を担う。特に太もも・背中の筋トレが効果的。
2. 朝食をとる:朝の食事が体温上昇のスイッチ。温かい汁物を加えるのがおすすめ。
3. 湯船で深部体温を上げる:38〜40℃で15分程度が理想。副交感神経を整える効果も。
出典:日本温泉気候物理医学会「入浴の温熱効果と自律神経」(2020)
まとめ:冷えを放置=「代謝のブレーキ」を踏むこと
冷え性は単なる体質ではなく、代謝・ホルモン・自律神経の乱れのサイン。放っておけば太りやすく、疲れやすく、老けやすい体になる。逆に言えば、冷えを改善すれば、代謝もホルモンバランスも整う=痩せやすい体に変わる。“温める”のではなく、“燃やせる体”をつくることが、健康的なダイエットの第一歩なのだ。

出典一覧
・国立健康・栄養研究所「身体活動・代謝の基礎知識」(2021)
・日本体温管理学会誌「末梢循環と代謝機能の関連」(2019)
・厚生労働省 e-ヘルスネット「冷え性と自律神経」(2022)
・日本温泉気候物理医学会「入浴の温熱効果と自律神経」(2020)

